ミツバチの巣の材料はミツバチの腹部にある蝋線から分泌される蜜蝋から出来ています。
巣を表面から見ると六角形の部屋が無数に垂直方向に重なり合って構成されています。
その断面は空洞の六角柱で底は三角錐になっています。
奥行きは10〜15ミリ程、厚さは約0,1ミリの壁から出来ており蜂蜜などがこぼれないように少し上に傾いています。
ミツバチの巣はなぜ六角形なのか?
他の多角形や円で考えて見ると三角形では幼虫や蛹が入るには無駄なスペースが出来てしまい、四角形では強度的に弱くなってしまう。五角形では空間を最大に使おうと思うと六角形には劣ってしまう。それ以上の多角形や円では重なり合った時に隙間が出来てしまいます。
そう考えて見ると巣を六角形で構成することは、材料を最小に抑え強度を強くする最も合理的な形と言えます。
このように六角形が無数に重なり合って構成されたものをハニカム構造と呼びます。
ハニカムとは蜂の巣(honeycomb)の意味です。
ハニカム構造は強度に優れ、空間が多く軽量で材料を最小に抑えられる特徴が有り、人工衛星や飛行機、スペースシャトルなど様々なものに応用されています。
ミツバチがこのような合理的な構造を人間が作り出す何千年も前から作っていたのですから驚きですね。
ミツバチの巣の温度調整
昆虫は変温動物で人間と違って体温を一定に保つことが出来ません。変温動物は気温が上がると体温も上がり気温が下がると体温も下がります。
ほとんどの昆虫は卵や幼虫、蛹で冬を越し、成虫になると冬を越すことが出来ません。
冬を越せる昆虫でも寒くなると(10℃以下)活動できなくなり冬眠に入ります。
しかし、ミツバチは冬眠せず冬を越すことが出来る能力を持っているのです。
ミツバチは一匹の個体でみると変温動物なのですが、集団生活をすることで巣の温度を一定に保ち(35℃前後)、冬眠することなく冬を越すことが出来ます。
ミツバチは寒くなると巣を取り囲み、巣が見えないほどの固まり(蜂球)になります。
それと同時に胸の筋肉を振動させ発熱し、表面に居たミツバチは寒くなると蜂球の内側に潜り、内側に居たミツバチは熱くなると表面に出てきます。
これを冬の間休み無く繰り返すことで寒さを凌ぎ、巣の温度を一定に保ち巣を守ります。
一方、熱くなると働き蜂は巣に水を運び、巣房(幼虫、蛹などが入る部屋)に水を垂らして冷却します。
さらに働き蜂は巣門の前に集まり、羽根の羽ばたきで風を起こし巣内の空気を入れ替え、巣房に垂らした水を蒸発させて(気化熱を利用)冷却効果を高めます。
巣門の前での羽ばたき方ですが、セイヨウミツバチは巣門に頭を向け羽ばたき、ニホンミツバチは巣門に尻を向けて羽ばたきます。
これはスズメバチが居るアジアで進化したニホンミツバチは、スズメバチに巣の在り処や巣門の位置を知られないようにする為と考えられています。
